イヌリン

イヌリンの特徴と効果

イヌリンは菊芋などに多く含まれており、人間だけでなく、植物にとっても必要不可欠な成分です。菊芋の他にも玉ねぎやゴボウなど、イヌリンは比較的身近な野菜に含まれています。

参考:

2013年10月18日『食物繊維イヌリンによる脂肪代替』田中彰裕
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/46/4/46_312/_pdf/-char/ja

例えば、植物に含まれるイヌリンは、生きるためのエネルギーを貯蔵し、植物の温度調節をする役割を果たしており、主に植物の根の内部に存在しています。菊芋も根っこの部分なので、同じイメージですね。 また、イヌリンは多糖類にも属しており、甘味があるのが特徴です。砂糖の代用として使われることも多く、甘味料の成分表示に「イヌリン」と表記されているものもあります。

 

参考:

2016年5月29日『キクイモ中のイヌリンの分析』安田 みどり, 久壽米木 綾子, 斎木 まど香, 児島 百合子
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kasei/68/0/68_81/_pdf/-char/ja

1973年7月2日『イヌリンおよびエルサレムの栄養学的研究アーティチョーク(Helianthus tuberosus L.)』『イヌリンおよび菊芋の栄養価』林俊子
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej1951/25/5/25_5_417/_pdf/-char/en

甘味料は、糖質系甘味料と非糖質系甘味料に分類されますが、イヌリンは糖質系甘味料で炭水化物の一種です。フラクトオリゴ糖と構成成分が非常に似ていて、フラクトオリゴ糖は砂糖に果糖が1~3個結合しているのに対し、イヌリンは砂糖に果糖が10個結合しているものです。

イヌリンにあってフラクトオリゴ糖にない働きとして代表的なのが、水溶性食物繊維を含んでいる点です。そのため、比較的低カロリーです。食物繊維の働きによって、便秘の解消や糖尿病の予防などに効果的と言われています。それでは、イヌリンのもたらす効果を詳しくご紹介していきます。

参考:

2007年7月『砂糖以外の甘味料について』脇谷 和彦、菊池 美智子
https://sugar.alic.go.jp/japan/fromalic/fa_0707c.htm

便秘の解消

イヌリンには、整腸作用があり、便通を整えてくれる働きがあります。イヌリンは水分を含むとゲル化するので、腸内をスムーズに通ることができるのです。また、女性は妊娠すると便秘になりやすいと言われていますよね。私も子供を3人産みましたが、ひどい便秘に悩まされました。胎児に圧迫されて、腸の働きが鈍くなり便秘になるのですが、イヌリンはそんな妊婦さんにもオススメの成分なのです。便秘薬を使うと子宮が収縮して流産や早産になってしまうリスクもあるので、「服用するのが怖い」と思う方も多いですが、天然の成分からできているイヌリンだったら安心して摂ることができますよね。

参考:

2017年7月1日『便秘に対する甘酒摂取の効果』住吉 和子, 中尾 美幸
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnas/16/0/16_36/_article/-char/ja/

そこで、なぜイヌリンが整腸作用に効果的なのかを解説します。イヌリンの化学式は、C6nH10n+2O5n+1と非常に長い構造を持っています。そのため、消化器官を通過するのに時間がかかり、善玉菌によって分解されるのにもとても時間がかかります。

また、胃や小腸ではまったく分解されないため、そのままの成分で腸まで届きます。そのため、腸内の善玉菌に働きかけてくれるので、腸内の環境をよくする効果があり、便秘にも効果的なのです。

参考:

2016年『Risk assessment of other substances – Inulin/Opinion of the Panel on Food Additives, Flavourings, Processing Aids, Materials in Contact with Food and Cosmetics of the Norwegian Scientific Committee for Food Safety』Norwegian Scientific Committee for Food Safety
https://brage.bibsys.no/xmlui/bitstream/handle/11250/2461130/Hetland_2016_Ris2.pdf?sequence=2&isAllowed=y

糖尿病の予防

イヌリンは糖尿病の予防にも効果があると言われています。糖尿病というのは、インスリン不足で発症するのですが、別名『天然のインスリン』と呼ばれるイヌリンは、インスリンと同じような働きをするので、血糖値を改善したい人にピッタリです。

参考:

2014年6月1日『酵素法により製造されたイヌリンと低脂肪食品への利用』和田 正、田中 彰裕
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/51/6/51_376/_pdf/-char/ja

前述のように、長い構造を持つイヌリンはゆっくりと消化器官を通過するため、血糖値が急上昇するのを防いでくれる働きがあります。

食後の血糖値の急上昇は、糖尿病の原因の大きな一つに、挙げられています。イヌリンを摂取することで、血糖値の急上昇を防ぐことができるため、糖尿病の予防に役立つのです。

参考:

2010年9月9日『糖尿病未病としての管理対象』布井 清秀
https://www.jstage.jst.go.jp/article/mibyou1998/7/1/7_1_138/_pdf/-char/ja

アトピーの改善

イヌリンは、善玉菌を増やす効果があります。善玉菌というのは、腸の免疫効果を高めたり、アレルゲンや化学物質などの有害な物質の侵入を防いでくれるので、腸内環境が悪いことが原因の一つであるアトピーの改善も期待できるのです。

近年、アトピーの改善には腸内環境の改善は必須と言われています。イヌリンには、善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれる効果があるため、アトピーの改善に効果的と言われているのです。

参考:

2003年11月11日『難消化性オリゴ糖の抗アレルギー免疫調節作用』名倉 泰三, 八村 敏志, 上野川 修一
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim/18/1/18_1_7/_pdf/-char/ja

ダイエット効果

イヌリンは女性に嬉しい「ダイエット効果」も期待できます。糖質や悪玉コレステロール、中性脂肪の吸収を抑えてくれる働きがあります。それだけではなく、水と混ざったイヌリンがゲル化して胃や腸で膨張するので、満腹感をもたらしてくれます。 イヌリンをダイエット目的で摂取したいなら、食事の前に摂ることをオススメします。なぜなら、ゲル化したイヌリンが糖質や脂肪を包み込んで便となって排してくれるからです。

また、イヌリンには、脂肪や糖質を排出してくれる効果があるとともに、カルシウム、鉄、マグネシウムの吸収を増加させてくれる働きがあることがわかっています。そのため、イヌリンを摂取することで満腹感をもたらす上に、余分なものは輩出し、必要なミネラル分は吸収できるため、健康的にダイエットすることが可能になります。

参考:

2014年6月1日『酵素法により製造されたイヌリンと低脂肪食品への利用』和田 正、田中 彰裕
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu/51/6/51_376/_pdf/-char/ja

より効果的に摂取するには?

イヌリンをより効果的に摂取する方法をご紹介します。

熱を通す

熱を通すことで中のイヌリンが凝縮します。これによって、より効果がアップするので、イヌリンを摂取したい場合は、加熱して摂るようにしましょう。「加熱すると成分が壊れるのでは?」と心配になりますが、イヌリンは、熱を通しても成分が壊れてしまうことはないので安心してください。

例えば、イヌリンが含まれるゴボウを沸騰した水で60分間加熱した場合でも、成分の劣化がみられていないことがわかっています。他の野菜では、加熱すると成分が変わってしまうものも多いですが、イヌリンに関しては加熱調理しても変質しないため、加熱調理で水分を飛ばして、凝縮させて食べるのがおすすめです。

参考:

1993年3月30日『貯蔵および加熱処理に伴うゴボウのイヌリンの変化』加藤 陽治、藤田 美香、浅利 宇多子
http://repository.ul.hirosaki-u.ac.jp/dspace/bitstream/10129/474/1/AN00211590_69_131.pdf

オリゴ糖と併用する

前述のフラクトオリゴ糖は、イヌリンと非常に似た構造を持っているため、効果も似ています。イヌリンと同じように腸内環境を改善する働きがありますが、イヌリンと比べると単純な構造になるため、イヌリンより消化が速いのが特徴です。

フラクトオリゴ糖とイヌリンを組み合わせることで、早い段階での善玉菌への働きかけと、ゆっくりした善玉菌への働きかけを組み合わせることが可能になります。

そのため、フラクトオリゴ糖とイヌリンを組み合わせると、より長い時間善玉菌への働きかけができるため、長時間腸内環境を改善できます。例えば、煮物や鍋の味付けの際、砂糖を使わずにオリゴ糖を使うことで、自然に併用することが可能です。

イヌリンをフラクトオリゴ糖と併用するのは、より効果的な摂取方法で、組み合わせやすいため、おすすめの摂取方法です。

参考:

2001年9月25日『フラクトオリゴ糖によるカルシウム吸収促進作用の分子生物学的メカニズム』佐久間 慶子
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim1997/16/1/16_1_11/_pdf/-char/ja

加工食品

イヌリンを摂取する際、パウダーや乾燥野菜などの加工食品で摂取するのもおすすめの方法です。水分を飛ばすことで、大量の栄養成分を一度に摂取できるようになるからです。

また、イヌリンを含む野菜である菊芋に関しては、イヌリンを含むと同時にイヌリンを消化する酵素である、「イヌラーゼ」も含まれているので、放っておくと分解されてしまいます。イヌリンにイヌラーゼが作用して分解されると、分解されてフラクトオリゴ糖になります。

フラクトオリゴ糖にも腸内環境を改善してくれる働きはありますが、イヌリンの方がより長時間かけて腸に働きかけてくれます。分解されずにイヌリンのままで摂取をしたい場合は、加工食品から取り入れるのがおすすめです。

参考:

1937年9月6日『Aspergillus属菌の生産する細胞外イヌラーゼ (P-III) の結晶化とその性質について』中村 豊彦、黒川 隆則、 中津 誠一郎、 上田 誠之助
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nogeikagaku1924/52/4/52_4_159/_pdf/-char/ja

サプリメント

イヌリンを食品から摂るのはなかなか難しいので、サプリメントで手軽に摂れるのは嬉しいですね。例えば、菊芋を食べるとイヌリンを摂取できますが、味はゴボウと似ているので、中には「おいしくない」と思う人がいるかもしれません。また、パウダー状にして水に溶かして飲むタイプもありますが、正直おいしい物ではないのでオススメできません。こういった点から、イヌリンをサプリメントで摂るというのは、一番手軽で効率的な方法と言えるのではないでしょうか?菊芋は、スーパーで販売されているところもありますが、販売されているお店は少ないので、イヌリンに興味がある方は、まずサプリメントから試してみることをオススメします。

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